コロナ後のコンサートは?

2020年10月11日

コロナ後のコンサートは?     郡司 博

10月17日土曜 午後3時半には私たちのブラームス『ドイツレクイエム』、19時にはベートーヴェン『ハ長調ミサ』の演奏会が始まる。

これはこれまでの演奏会とはまるで違う。三密を避け換気を行いながら、聴衆との距離をたもち、歌う者も聴く者も、体温を測り手消毒が強制される。ステージ上では前後左右1M80cmの距離を保ち、シンガーシールドによって隔離されるマスクをした合唱団員がステージに並び、オーケストラを通常の2/3に減らす。ブラームスの合唱団120人のうち50人は客席からステージに向かって歌うという突拍子もない方法でしか演奏会をすることができないのである。まして音楽の響きを支えてくれる側板をも換気のため上げてしまう。

私はこのことを「悲観的」とだけ捉えてはいない。いずれにしろコロナ後は音楽会のあり方も相当変わっていくに違いない。その先駆けのコンサートである。合唱団は相当の距離感と孤独感の中で歌うことになる。どの場所であろうと歌わなければならない。それは今までお隣の声をきき、調和させながら歌ってきたその手法とは違い、全く新しい感覚の演奏になる。しかしここからしか明日への一歩を踏み出せないのである。

その貴重なその瞬間をあなたの心の中に刻み付けておいてほしい。だって音楽のはじまりは太古の昔から孤独な祈りと、奉納だったのだから。


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