Minnelied 恋歌
合唱講座で取り上げるもう一つの作品、ブラームス『12の歌とロマンス』はドイツ語で歌います。
今回曲の資料として、いつもドイツ語の資料や字幕などを手掛けている事務局の方から、以前に手書きで丁寧に作成した発音記号入り単語訳と、(合唱団の方が作成した)これも手書きの訳詞をいただきました。今はインターネットでなんでも簡単に調べられる時代ですが、こんなに普及する前には歌詞の単語をひとつひとつ発音記号や意味を調べ書き入れた資料を作り、合唱団はドイツ語の作品を丹念に勉強をしていたことがよくわかります。
いただいた資料を見ながら、自分の勉強も兼ねて1曲目のMinnelied 恋歌 を改めて原稿にしてみました。発音記号を打ち込むだけでも勉強になりましたし、慣れてくると楽しいです。ドイツ語は話せなくとも歌う時にはひとつひとつの言葉を理解している事が必要なことなのだと、改めて実感しました。(実は2月にこの曲を歌った時にはここまで自分で勉強しなかったことを個人的に反省しました)もちろん合唱講座へ参加する方の取り組み方は千差万別、いろいろあって良いと思います!!
ドイツ語の歌に興味のある方、合唱講座で赤間先生のもと一緒に勉強してみませんか?ドイツ語での歌に参加する時にも大いに役立つと思います。
1.Minnelied 恋歌
(1段目/太字:ドイツ語歌詞 2段目/[発音記号] 3段目/日本語:単語の意味)
⑴
Der Holdseligen sonder Wank
[der hɔltze:lɪgən zɔndər vuŋk]
とても愛らしい人に ~なしに ぐらつくこと
Sing ich fröhlichen minnesang,
[ziŋ ich frø:lɪçən mɪnəzaŋ]
歌う 喜ばしく 恋愛歌
Denn die Reine,
[dɛn di: raɪnə]
なぜなら 純潔
Die ich meine,
[di: ɪç maɪnə]
(Reine)私は 想う
Winkt mir lieblichen Habedank.
[vɪŋkt mi:r li:plɪçən ha:bədaŋk]
合図する 私に 愛らしい 感謝
⑵
Ach bin inniglich minnewunt
[ax bɪn ɪnɪklɪç mɪnəvʊnt ]
ああ 私は~である 心からの 恋の病の
Gar zu minniglich küßt ihr Mund,
[ga:r tsu: mɪnɪklɪç kʏst i:r mʊnt]
まったく ~すぎる 愛らしい 口づけする 彼女の 唇は
Lacht so grüßlich,
[laxt zo: gry:slɪç]
ほほえむ そんなに あいそよく
Lockt so küßlich,
[lɔkt so: kʏslɪç]
誘う 口づけのように
Daß mir's bebt in des Herzens Grund.
[das mi:rs de:pt in dɛs hɛrtsəns grʊnt]
震える で 心の 底
⑶
Gleich der sonnigen Veilchenau
[glaɪç der zɔnɪgən faɪlçənaʊ]
同じに 日の当たる すみれ
Glänzt der wonnigen Augen Blau,
[glɛntst der vɔnɪgən aʊgən blaʊ]
輝く 魅惑的な 目の 青さは
Frisch und ründchen
[frɪʃ ʊnt rʏntçən]
すがすがしい 丸いふっくらとした
Blüht ihr Mündchen
[bly:t i:r mʏntçən]
咲く 彼女の かわいい口は
Gleich der knospenden Ros im Tau.
[glaɪç der knɔspəndən ro:s im taʊ]
同じに つぼみの バラ 露
⑷
Ihrer Wängelein lichtes Rot
[i:rər vɛŋəlaɪn lɪçtəs ro:t]
彼女の ほお 明るい 赤さを
Hat kein Engelein, so mir Gott!
[hat kaɪn ɛŋəlaɪn zo: mi:r gɔt]
持つ ない 天使
Eia! Säß ich
[aɪa zɛ:s ɪç]
ややっ! 座っていられたら 私は
Unablässig
[ʊnaplɛsɪç]
絶え間ない
Bei der Preislichen bis zum Tod!
[baɪ der praɪslɪçən bɪs tsu:m to:t]
そばで 賞賛される(人) まで ~へ 死
訳詞
1Minnelied 恋歌
⑴この上もなく美しい人に ためらうことなく私は歌おう
歓びに満ちた愛の歌を
なぜなら 私の思う汚れなきあの人は
私に とても親切に感謝の気持ちを送るから
⑵ああ 私は真に恋の病いだ
その上 愛くるしく口づけする彼女の唇は
とても愛想よくほほえみ
キスをするがごとく 私を誘って
私の心の底をドキドキとふるわせる
⑶太陽をあびたすみれの草原のように
その魅惑的な目の青さは 輝き
みずみずしく 丸くふっくらと開いた 彼女のかわいい口もとは
露にぬれた バラのつぼみのようだ
⑷彼女の 愛らしい頬は ほんのりと赤く
天使さえも 持ってはいない そう 神様さえも
ああ ずっと座っていたい
この賛美される人のそばに 死に至るまで