ヨハネ演奏会を終えて
2024年06月09日
昨年9月から4つの会場で練習が行われ、合計160人の合唱団員が集まりました。渡部、原田、郡司の3人による練習が始まった時、私が最初に考えたのは、ステージにのる全ての合唱団員が、演奏の上で主たる役割を果たせる合唱団を作ることでした。そのためには、作品の難しさからも、歌う技術の難しさからも、さらに内容をつかむという点でも高度な課題と取り組む覚悟が必要でした。
特にヨハネはマタイよりも演奏回数が圧倒的に少なく、その内容の深さを理解して歌うという点で遅れを取っています。これまではその難しさから、練習でやっと歌えるようになったところで演奏会になってしまうパターンが多く、この作品を取り巻く時代背景、現代とのつながり、バッハが生きた時代背景 、バッハと聖書との関係など大事な課題を考察する作業が疎かだったと思います。最終目標としては音楽的にも 一人一人の深い理解を持って演奏できるようになることと考えていました。その課題とまず向き合うべきは他ならぬ私郡司でした。 結果として一人一人の自発性が発揮され、いい結果のコンサートをすることができたと思っています。イエス役を引き受けてくれた原田光さんのドイツリートの深い研鑽と、渡部さんの経験豊かな演奏活動が大きな助けとなり、私の役割も次第と明確になり、そこに集中することができました 。公演日が月曜日で東京芸術劇場という条件の中で、最近になく1000人を超えるお客様を集めることができたことも大変な成果だと思っております。この経験は一生の宝となりました。
この演奏会に関わってくださった皆さまに感謝します。そして何より、合唱団の皆さま、9ヶ月におよぶ練習、お疲れさまでした!
郡司博