郡司先生より

2023年09月01日

先日フォーレレクイエムを歌う会のLINEに郡司先生から寄せられたメッセージです

お疲れ様

昨日は ドヴォルザークニ長調ミサの練習にご参加くださりありがとうございました。初めてのオルガン及びオーケストラヴァージョンをピアノ連弾での練習でしたが、その意味と役割を認識してくださったかと思います。 私もこの編成での試みは初めてなので不安もありましたが、オルガンソロで作曲者が書いたという意味はとても深いのではないかとあらためて思いました。 特にスラブ的な、または国民楽派を思い起こされるに十分な 響きをオルガンが 出しているのだということを理解でき、当日のパイプオルガンによるコンサートが楽しみになりました。 合唱が歌っている キー、特にCredoは我々日本人にとっては、特に女声にとっては響かせ辛い調性だと思います。ですから、声を出そうとしすぎると重くなって進行感が薄らぎやすくなりますが、それを皆さんの知恵と技術で補いながら、 能動的なCredoが歌えればと思います。全体として小作りの演奏ではなく、無限に広がる大地に向かって歌う祈りの音楽の雰囲気が漂えばいいと思っています。日曜日の練習の後は、オルガニストが入っての練習になります。9/10の演奏会には是非1人でも多くのお客様に来ていただけるよう周りの方にもう一度声をかけてみてください。

なお、先日8月26日ルネこだいらでの演奏会の教訓は、レクイエムやミサの場合には、お客様も言葉の鮮明さを求めないでクラシック音楽として聴くようになっており、またヨーロッパであれば習慣としてテキストが身についていて、教会での残響時間が数秒であっても、言葉が全く聴き取れなくても問題が無いことを考えると、日本での初演に近い曲の言葉をお客様に瞬時に伝えることは大変な困難を伴うことだと思いました。しかし、1つの教訓として言えば、原田光さんが歌った「死んだ男を残したものは」は、メロディも谷川俊太郎の言葉も、ほとんどの人が知っているか、又は歌ったことがあることが、原田さんのオーラさえ出ていた表現力と相まってより観客の心に響いたものだと思います。日常的には三善晃や岩河さんの音楽を言葉を含めて聴き慣れてない聴衆にとっては、瞬時に感動に繋げていくのは至難の事だとあらためて感じました。

今後これらの課題も真摯に受けとめながら、勉強をしていきたいと思います。