一隅を照らす

2020年02月08日

2019年12月アフガニスタンで凶弾に倒れた故中村 哲氏、生前の講演録より記憶に留めておきたい言葉のひとつとして。

『「一隅を照らす」という言葉があります。一隅を照らすというのは、一つの片隅を照らすということですが、それで良いわけでありまして、世界がどうだとか、国際貢献がどうだとかいう問題に煩わされてはいけない。世界中を照らそうとしたら、爆弾を落とさなくちゃいけない。それよりも自分の身の回り、出会った人、出会った出来事の中で人としての最善を尽くすことではないかというふうに思っております。今振り返ってつくづく思うことは、確かにあそこで困っている人がいて、なんとかしてあげたいなあということで始めたことが、次々と大きくなっていったわけですけれど、逆に二十年間それを続けてきたことで私たち自身が、本当に人間にとって大事なことは何なのか、人間が無くしても良いことは何なのか、人間として最後まで大事にしなくちゃいけないものは何なのか、ということについてヒントを得たような気がするわけです。結局自分が助かったということですね。助けることは助かることという言葉がありますけれども、その通りでありまして、この事業を通じて私たち自身が、気持ちが豊かでかつ楽天的になったということがいえます。』

◎「医者よ、信念はいらない まず命を救え!」中村 哲 羊土社 より抜粋


アフガニスタンの人々と共に井戸を掘り、大規模な灌漑事業を行い砂漠を緑化し農地を甦らせ、深刻な干ばつと飢餓から多くの命を救った人が、「一隅を照らす」という心でこつこつと歩んだということに大きな感銘を受けました。そしてこの言葉を身近なところで生かすにはどうしたらいいかと自分自身を振り返ります。あなたにはどんな「一隅を照らす」がありますか?


2月29日ルネこだいら「メサイア」公演は

故中村 哲氏の遺志を継ぐ〈ペシャワール会〉を支援する

ベネフィットコンサートになりました。

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